SecondLifeの良い?ところ vol.4 - 現実通貨と公に為替可能


不定期シリーズ第4弾!は、Second Life内で使われている内部通貨であるリンデンドル(Linden Dollar)という通貨のこと。サービス開始当初から存在していますがゲーム内通貨と捉えれば別段なにも特筆するような事ではないのですが、このリンデンドル(L$)は仮想通貨として現実世界の通貨と公的に為替が出来るという特徴があります。
pics by : Myf McMahon - when elsewhere, live as they live elsewhere
※画像は本記事との関連はありません。

💰現実世界の通貨と公的に為替可能なリンデンドル

リンデンドルとはどのような位置にあるものなのか、
ちまたに溢れる『実像が無い様々な通貨』にちょっと触れてみます。

デジタル通貨

  現実世界の通貨と為替可能な資産価値がある通貨を指すと考えます。
ブロックチェーン技術など高度な保護機能がある物 : 分散型暗号通貨
 ・中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)
 ・暗号通貨(暗号資産) ビットコインなどに代表される

高度な保護機能がない物 : 集中管理型仮想通貨
 ・仮想通貨
  なお、いずれも仮想(virtual)ゆえに実体が無い為、所有権が存在しない資産とされる。

ゲーム内通貨

通貨単位の呼称は様々(ゼニー、メセタ、ギル、アデナ、ゴールド・・・などゲーム世界毎に呼称も単位も異なる)
現実世界の通貨と為替は不可能。
なぜならゲーム世界の経済が外貨により崩壊してしまう為で、強力なアイテムが簡単に入手できるなどゲームバランスも崩壊する。

ゲーム内通貨はゲーム内での経済システムでのみ利用されるもの。
しかしながらRMTの1つとして外貨で裏取引される事が常習化している。
RMTとはゲーム内通貨の為替だけでなくゲーム内アイテムやゲーム用アカウントの売買、レベリング代行など様々で、それらを現実世界の通貨で取引する行為のこと。
SecondLifeはRMT公認と称されるのをよく見かけますが上記のような広義のRMTではなく
サービスとして提供されているのはゲーム内通貨であるリンデンドル(L$)と米ドル(USD)の為替のみです。
またLinden Labが販売しているものは土地の利用権とアカウントサービス関連のみで
これらはゲーム内通貨ではなく米ドルでのみ販売されます。

社内通貨(企業内通貨)

~コインと称する事も多い。
文字通り社内でしか使えないというポイントなのか通貨なのかそういった類のもの。
どのようにして通貨を得て、どのように使うかは各社各様だから外野がとやかく言うところではないけれど、そのような通貨も存在しているという認識はあってもいいでしょう。社員の福利厚生の一環としての効果が狙いのようです。

ポイントサービス(専用/共用)

通貨ではないけれど通貨と単位が等しかったり現実通貨で購入できたりととてもややこしい代物。
通貨単位とは異なる価値観を与えた物や通貨単位と等しい物(1ポイント=1円)など違いがあったりする。
ポイントを現実通貨で購入できる物もあったりと多様。
クーポン券など金券類との併用などに制限があったりと複雑なルールも少なくない。
多くの場合はポイント使用期限があり期間を過ぎると消滅というのが定着している。
専用の物は、そのお店や系列店だけで利用可能なもの。
共用の物は他店でも同じポイントサービスに加盟していれば利用可能なもの。

電子マネー系

実像が無い通貨そのもので、クレジットーカードと同様チャージするもの、後払いのもの、即時に引き落とされるものとタイプがある。
これは通貨単位が現実の通貨と同じなので通貨そのものではなく決済システムの1つでありクレジットカードなどと同類です。
クレジットカードのような厳密な審査基準がない銘柄が多く政府主導のキャッシュレス・ポイント還元事業の効果もあり日本で急速に普及しました。先のポイントサービスと連携している物が殆どでポイントを目当てにして現金を直接ではなく電子マネー化して決済するというスタイルが今時の節約術。
現金と同じ扱いのはずなのに利用有効期限がある物もあるので消滅に注意。
何の通貨の電子マネーなのかというのが特徴かなぁ、日本円なのか米ドルなのかなど。

仮想通貨もどき

ゲーム内通貨があるのに別途に決済専用の通貨単位があり、現実通貨で購入は出来たりするけれども販売は出来ない(為替不可)ものも『仮想通貨』として扱われますが、それらは『仮想通貨もどき』として区別したいですね。
実例銘柄だと
・SEGAのPSO2で使われている「アークスキャッシュ」
・ハンゲームで使われている「ハンコイン」
・モバゲー で使われている「モバコイン」
・コーエーテクモで使われている「GCコイン」
など
殆どの場合で日本円の1円=1もどき通貨 となっているのが特徴で通貨とするよりは外貨と常に固定の取引レートであることから 仮想通貨よりも販売される有料ポイントだと考える方が自然でしょう。 しかしハンゲームのように別途にハンゲポイントという仕組みを持つ銘柄もあり 一概にポイントの類に含めるのも具合が悪いところがあります。 かといって電子マネーの類かといえば通貨単位が日本円ではなく独自なので これまた具合が悪い。 購入だけという一方通行で、かつ、独自の通貨単位で ポイントではない物の総称でなにか適切な呼称があればいいですね。 以前はこういうものって企業内通貨と呼んでいたように思いますが いつのまにか社内通貨=企業内通貨とされて顧客が使う用途のものを指さなくなったように感じます。

つまりリンデンドルとは

Second Lifeでの内部通貨であるリンデンドル(L$)は中央集権型の仮想通貨の1つで現実通貨と為替が可能であるものです。しかし、アークスキャッシュやハンコインのような固定レートで販売のみの物とは全く違うと分かることですが何故だかオンラインゲームの括りで同一視されているのを多く見受けます。まぁ仮想通貨の定義付けとその通貨が公的に取引可能な対象になるかは別の事だから仕方ないか・・・。ゲーム世界の通貨を全て仮想通貨と呼称するのであれば逆に現実世界の通貨との為替が成り立つ物だけ異なる名称にした方がいいかも知れませんね、そのほうが対象となる通貨は遙かに少ないでしょうから。

メタバース? 一緒にしないでよねっ

またまた盛り上げようとしているのか元祖メタバースとかでSecond Lifeが引き合いに出される事がありますが 『そこに経済システムはありますか?』と問いたいですね。
その世界の外部でお買い物をするだけの決済システムのことではありません、バーチャルワールド内で機能する経済システムのことです。 まぁ普通のMMORPGなどではゲーム内通貨がありますよね。だけど、そのゲーム内通貨が現実世界の通貨と為替が可能ですか? 非公式なRMT市場ではなくオープンな為替市場として存在していますか?Second Lifeでは、現在は、この仮想通貨と現実通貨での為替システムを 別会社(Tilia)として切り出して運用しています。Linden Labがヤバイとか組織の分裂とかではなく「ちゃんとした銀行業務として存在しないとダメ」ということらしく米国の各州における業務ライセンスを持つ窓口店舗はないけど本物の銀行なんですよ。 そしていまやSecondLifeのLinden Dollar(L$)だけでなくSansarのSansar Dollar(S$)とUplandの通貨(UPX)も扱っています。UplandなんかNFT資産のせどりを楽しむ現代らしい遊び方のように見えます。土地ベースしか無いSecondLifeとは随分と違う印象ですね~。

(ところで去年までtiliapay.comだったのがtilia.ioに統一されてますね。なにかマーケティングの方向性が変わったのでしょうか・・・)

見た目は大切だけれど

VR/AR/MR/XRなど押し寄せる"R"の波。そして再燃しそうな近頃のメタバース?とか、見た目は大切だけれど 見た目だけに踊らされないようにしたいですね。仮想世界が仮想社会とまでは行かなくても生産と消費、需要と供給の流れがあれば、そこに経済システムは不可欠でしょう。なかには経済システムが崩壊した末に原始的な物々交換しか成り立たなくなった世界も過去にはありましたが・・・(PSOBBの例)

それでもSecondLifeが今日も存在していることは前述の「本物の銀行まで作っちゃった~(テヘペロ)」ってことが少しは関係があると思います。
「そんなことしなくても外部の業者に任せればいい」
たしかにそうなんだけどSecondLifeでは過去にそのように通貨の為替業務を他の会社にライセンスしていた時代もありました。 その結果、各国の通貨からリンデンドルを売買してしまうものだから同じ国であっても取引レートに差があったり(当然各社間で競います) リンデンドルを仲介して別の国の通貨にする事で利益を生じたり、果てはダークな部分からの資金洗浄に使われたりとか、問題の方が多く自社でのコントロールが出来ないこと、そして目立った問題として持ち逃げというか計画的倒産というような動きがライセンス先で横行した事でした。この為に為替業務は正規の銀行業務を担う企業のみと一線を引き全ての提携をキャンセルし自社のみで一元化し米ドル以外は認めないという内容に変わったのです。

2021/12/21

Posted by まゆみ.H
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