SecondLifeの良い?ところ vol.13 - ダイナミック・コンテンツ

不定期シリーズ第13弾!は、Second Life では動的に、そしてリアルタイムにアイテムの作成や変更が行えるという、かつては特徴の一つとして掲げられていた 『ダイナミック・コンテンツ』 について触れてみます。
pics by : Quentin Bouvier - A stop at the candyshop
※画像は本記事との関連はありません。

🚧その場で即時反映するダイナミック・コンテンツ

何でもその場で即時反映が出来る

持ち物 (インベントリー) からアイテムを取り出して任意の位置に設置する、あるいは衣服やアクセサリーなどを自キャラに装備させて見た目を変更するというのは MMORPG などでも珍しくはないですが、衣装を変えたりなどの動作が別空間で行うなどの仕組みではなく、その場でそのまま動的に行われます。 対象がアバターであれば衣服を脱いだり着たりという表現がリアルタイムに行え、それはその場に居る他のユーザーにも変更が反映されて見えます。 そして性別だとか種族というアバターの容姿の基本定義が無いので、服を着替えるのと同じ感覚でアバターの容姿を全く違うものへと即時にその場で変更することも容易です。 変身ヒーローものとかそういうジャンルの表現や男性→女性への見た目の変更もお手軽にその場で可能。

その場で新たに作成も出来る

ワールド内でビルドが可能でプリムという単位での様々な形状の部品を使って建物を作ったりアクセサリーなどワールド内で実体のある物を作ることが可能です。 様々な形状といってもある程度は任意に変形が出来るだけなのでプリムを使ったビルドは定形の形状を組み合わせるようなサンドボックス・ゲーム的な感じです。 また、ビルドしたアイテムをコンテナとしてスクリプトを内包することも可能で、もちろんスクリプトもその場で即時コンパイルされます。

作成は複数ユーザーで共有できる

アイテムの作成は他のユーザーと共有することで複数人で同時に行えます。

【A】さんが基本的な形を作って
【B】さんがテクスチャーを貼って
【C】さんが色をつけて
【D】さんが中身のスクリプトを作成して
という分担で1つの部品を作ることもできるし

【A】さんが屋根を作って
【B】さんが壁を作って
【C】さんが床を作って
【D】さんが他の人が作った屋根と壁と床を使って家を完成させる
というような部位単位で制作を分けるのもいいでしょう

一人で全てをやらなくてもいいんです。


標準プリムとダイナミック・コンテンツの昔と今

昔の『プリム』な時代

形状を変更したり他のアイテムと結合をしたりしてアイテムを更新した結果が即時に反映されてその場に居る他のユーザーにも同じように見えるのでコンテンツの動的変更を Second Life の特徴のひとつとして掲げていました。

途中の『スカルプト』な時代

標準プリムで定義可能な形状だけでは実現できないような形状を 「スカルプテッド・プリム」 という頂点定義を画像の色データで表記したものが登場し、定義した画像を変更することで形状を動的に変更することができました。 事前に定義したデータにのみ変形可能であって、その場で任意に変更できるような仕掛けではなかったものの標準プリムでは得られない形状が人気を得ました。

革新の『MESH』な時代

ワールド内で MESH のアイテムをビルドする機能が無く、 Second Life 外で作成したMESHアイテムをインポートすることでワールド内へと持ち込むことで 利用が出来るのですが、1つの MESH の部品毎に大きさや貼り付けるテクスチャーなどは変更できますが基本的な形状の変更はワールド内では出来ません。 FitMESH と呼ばれるアバターの基本骨格 (Shape) に従って形状が変形するタイプの MESH アイテムもありますが、Shape の値に従って形状が増減するだけなので基本的な元の形は変わりません。 MESH アイテムに対するコンテンツの動的変更はワールド内で MESH アイテムの生成編集が出来る機能が実装されない限りは実現できないことなのでダイナミック・コンテンツは失われてしまったと嘆く声もあります。

近年の『AniMESH』な時代

ワールド内で MESH データを変更することができないので動的な形状変更を 『AniMESH』 という表記で定義済みの変形動作を行える機能も追加となりました。 しかし、これまた ワールド外で制作するしか手段がなく、ますます以前の ダイナミック・コンテンツ が意味したこととはかけ離れていくことから、Second Life は単なる MESH ローダーになってしまったと揶揄する声も聞きます。


それでもダイナミックな恩恵はある

やはり動的な衣服の着替えや装備品の変更の反映ですね。 ユーザー側で作成したアイテムの持ち込みが出来る環境で、その場でアップロード → ビルド → 装着 とリロード無しでサクっと出来てしまうのは特徴だと言えるでしょう。 アイテムのダイナミックな変形についても、何も実際に変形しなくても表示/非表示の切り替えで形状を変えてみせたり、テクスチャーの貼り替えで違うように見せかけたりと、 Second Life ならではの各自の工夫は今も昔も行われています。 何より昔の標準プリムやスカルプテッドプリムなアイテムであっても失われてしまった機能ではなく、今でも全て継続して利用可能であることは素晴らしいことです。

2025/07/23

Posted by まゆみ.H
X B f B! P L

Search (in blogs)

Featured

今も続くアバターの身長問題。身長=158cmは子供ですか、そーですか。

もともとリアルサイズなアバター故にアジア圏以外が主催のSIMなどでは低身長として扱われることも少なくなかったのですが、さほど気にせず自分の好みの見た目として楽しんでいました。ところが、先日、とあるSIMを訪問した時に「身長が5フィート以下だから子供は帰りなさい」というメッ...

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス

template by QooQ