腐界隈でのカタカナ言葉で気になったこと


外国語に対する日本語での片仮名での表記はよくありますが、それが日本語圏内で独自に変化したり外国語っぽいのに和製の合成語だったりして本来の意味とは違っていたり、それに該当する外国語がなかったりすることを時折見受けます。表現が豊かな日本語なので外国語で該当する言葉がない場合や、逆に外国語の方が意味する範囲が大きかったりして日本語よりも外国語のほうが便利だったりもします。

前者は例えば「もったいない」という日本語。英語だと Re-use とか Recycling などでしょうが、「まだ使えるから無駄にしない」などという気持ち的な意味合いは感じられません。後者の外国語のほうが便利というのは例えば「コンプライアンス」「エビデンス」「ガイドライン」「コストパフォーマンス」「ソーシャルディスタンス」・・・など挙げるとキリがなく沢山の片仮名言葉がある現状です。それぞれ日本語で「企業倫理」「証拠」「目安(推奨)」「価格に対する満足度?」「社会的な人と人との物理的距離」などと表現するよりは直感的に分かりやすかったり意味合いの範囲が広くて便利などが考えられるのでカタカナが受け入れられていると考えます。漢字のほうが便利だというのも沢山ありますよ、よく使われるのは報道などでの「忖度(そんたく)」などが近年での代表かと。。。忖度という日本語に対する外国語(英語)はありません。「もったいない」と同じですね。

で、ややこしくなるのが片仮名言葉をさらに略語や別表現としたものです。「コンプライアンス」→「コンプラ」や「コストパフォーマンス」→「コスパ」など、元の言葉を知っていればなんとなく分かるかも知れませんが、それでも聞き慣れない場合だと多少戸惑うことになるのは避けられません。

腐界隈でのカタカナ言葉で気になったこと

前置きがかなり長くなりましたが、最近に気になった言葉は「ドムサブユニバース」という世界設定の中で扱われている「ドム」と「サブ」の使われ方です。その言葉に遭遇したのは直接的ではなく「ドミサブ」という言葉を見たことが始まりでした。なんか「D/s」のことを指しているのかな?と辿っていくと、どうも近年で「ドムサブ」や「ドミサブ」という片仮名表記での省略形が日本語圏で "D/s" の意味で使われているらしい様子。

ドムサブユニバースについては、元は英語圏での「Dom/Sub Universe」のことを片仮名表記にしたようで、日本語では「ドムサブユニバース」または「Dom/Subユニバース」と表記しているようです。この時点で D/s を好む人たちだと「 "s" の表記が小文字じゃないから駄目だ、これはFakeだ!」と感じることでしょう。(私はそう思いました) (以降、当記事内ではドムサブユニバースとして表記します)

ドムサブユニバースの世界では 男女の性別とは別で第2の性として 「Dom、Sub、Switch、Nomal」 があるという設定で、 同界隈での他の世界観の定義である「オメガバース」での 第2の性としての「Ω(オメガ)、β(ベータ)、α(アルファ)」を BDSMロールプレイ向けに置き換えたものとされ、まぁ細かく見ていくと単にBDSMロールプレイの一環であると一蹴できてしまいます。 Second Life の中でも、そういった独自の世界定義のあるものがいくつか取り入れられていて、特には Gorean (Gor) の影響が大きいですね。ちなみに Gorean (Gor) の世界では男性が女性を支配する世界で細かな階級で別れていて厳格な戒律のある環境です(原作の小説世界を忠実にしているなら)

それぞれの世界で言葉の定義は異なるけれど・・・

私達の世界である "Second Life" もカタカナ表記だと現在では老後の世界を指すのが一般的になりつつあります(例えばnoteでの記事とか googleでの検索でも片仮名では別のものが多く表示されます) 略号の "SL" でも、かつては "ベンツのSLクラス" や蒸気機関車を示すものと被っていたりと競合は避けられませんが明らかに別のものだと識別できることから大きな問題にはなりません。まぁ片仮名で検索したらエロエロな女の子が表示されたりするのは良いことだとは思わないのでカナ表記は避けましょう😀

しかしながらドムサブユニバースでの「Dom、Sub、Switch、Nomal」と「Sadism、Masochism」が紐付けされていることが当記事を書いたきっかけです。 Dom = Sadism で Sub = Masochism だとしていること。その点で検索してみると、「ドミマゾ (D/m)」とか「サブサド(s/S)」など組み合わせでのカテゴライズもあるようで意味的に日本語圏だと分かるかもだけど、それらは外国語圏の人達だと理解できないかと・・・。ちなみにサブサド(s/S)は submissive のようにご奉仕する Sadist (サディスト) だそうです。

もともとこの界隈では、ネコ、タチ、リバ、バニラ など役割とも性的嗜好ともプレイ内容ともとれる独特な言葉が多いのですが、オリジナルな言葉であればいいのですが、既存する BDSM 界での 言葉の一部を冠していることから誤解に繋がるのではないかと感じます。

もっとも日本語圏で独自の表現をするというのは外国語圏に無い意味合いを持つものなど意味のある言葉として世界的に受け入れらているものも少なくないので否定するところではありません。たとえを挙げると HENTAI, WAIFU, GOKKUN, BUKKAKE・・・などがありますね。(Waifuはちょっと違うか😅)

ひと括りにカテゴライズできるものではない

単純に性癖だと表現したりすることも見受けますが、観点が違えばそれは別のことであるかも知れません。また、同じ言葉であっても時と共に変化する場合もあるでしょう。個人的な経験的観点ですが以下の点で整理すると明確になると思います。

・性的指向
→ Straight, Bisexual, Homosexual (異性、どっちでもOK、同性のみ(レズ、ゲイ))

・性的嗜虐(しぎゃく)
→ Sadism, Masochism, Both, None (サディズム、マゾヒズム、両方、なし。どちらか一辺倒でなく少々とか時折とかそういう表記でもいいと思います)

・関係性(Relationships:BDSMロールプレイでの主なもの)
→ M/s, D/s, S/M (SMを嗜好でなく関係性と考えた場合)

・関係性(Relationships:BDSMに限らないもの)
→ Top/bottom, Mentor/mentee, Trainer/trainee, Handler/pet, Owner/Property, Trainer/pony, Deity/priestなど
 関係性に関しては先生と生徒、先輩と後輩、たんなる隣人 とか想定は無限に存在する。ある程度はやりたいプレイ内容も見えてくる。

・関係性(Relationships:が関係ないもの)
→ DiD, Self-Bondage, Solo-Play などお独りさまで成立するもの。DiDに関してはそういう状況であって性的な事象がないものなので他人が要因のBondageだけどプレイ内容でのKidnap(誘拐)に近いものだと思います。

・役割(Roleに性的嗜好を含むもの)
→ Dom, sub, Switch など関係性に関した役割

・役割(Roleに性的嗜好が無い)
→ Top, bottom, Trainer, trainee など単なる役割の名称

・プレイ内容とシチュエーション
→ やりたいことを具体的に表現しましょう



と、まぁまとめて表現すると
特定の性的指向で特定の性的嗜好と関係性を持ち担う役割は◯◯でプレイ内容はこんなことがしたい。

各観点をそれぞれ詳細に示すと共鳴して反応する人も居るかも知れませんが多数の人からはキモぃとか理想が高いとか無理だと揶揄されます😅 詳細は示さずに 「あたしぃドMなのぉ💦」 とでも記しておいたほうが色々とチャンスも多いでしょう。

そんな個人間のやり取りはどうでもいいのですが、とある界隈において関係性と役割や嗜好が固定的に紐付けられているというのが気になったのでした。

sub や slave の役割だからと=マゾではないのです。


関係性を示す "D/s" に代わる表記

D/s について語源が
Domination/submission
Dominance/submission
Dominant/submissive
から来ていて、特に Dom 側の表記を更に細かく性別で分けたり (Femdom / Maledom) 特に女性の場合は Domina や Dominatrix あるいは Mistress と呼称したりします。
またプレイ内容から Findom (Financial Domination) というものもあります(要するに貢くん。この場合は sub ではなく Paypig や PiggyBank と呼ぶ)
他にも 「なんたらDomination」 と称するものもあるかも・・・。何れもある種のエロエロやダークなイメージを D/s という言葉に感じるはずです。

そこで "D/s" に代わる表記として一部で使われているのが "FLR" と "MLR"
FLR = Female Led Relationship
MLR = Male Led Relationship
女性(男性)優位のリレーションシップ という意味合いで、そこには "D/s" から滲み出るエロスやグロテスクな内容はありません。 "TPE" に似た感じを受けますが Top / Bottom の関係が前提ではなく、あくまで性別でのリレーションシップということになります。女→男 あるいは 男→女 ですので、"D/s" において性向が異性ではない場合には使えなさそうですが、エロ前提でないクリーンな関係というのに使えそうです。日本語だと「かかあ天下」や「亭主関白」ですね、でも結婚前提ってところが微妙に違うか。

2025/05/20

Posted by まゆみ.H
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