ちょっと前から公式ビュワーのダウンロードページに公式ビュワーと併せて TPV の FireStorm viewer が掲載されたことは色々と波紋を呼びました。 けれども、それは見方を変えると TPV である FireStorm viewer の機能について明文化はないものの公認であるということだと受け取ることも出来るでしょう。 すなわち、フレンドのみ表示とか、オブジェクトのエリア検索とか、オブジェクトの永続的な非表示や、一部のアニメモーション抑止や、マウスルック時のポイント対象表示など公式ビュワーに無い (ややもするとチートだろうと思える) 機能が山盛りですが、それを公認していると受け取られるでしょう。 (まぁ、後からコレコレは NG とかダメ出しはありそうですが) そんな数ある追加機能の1つに RLV 機能があります。正確には FireStorm viewer に搭載されているのは RLVa なので仕様は少し異なりますが機能の目的としてはオリジナルの RLV と同じです。
このように身近になった RLV 機能について諸手を挙げて喜びたいのですが、気軽に RLV に接することが出来るようになったことで、何でもかんでも RLV!! RLV!! と、それ自体が必須のように感じている人達や公認の機能だから=安全だとするのは短絡的です。
あなたにとって RLV は、ほんとうに必要な機能なのか
Second Life におけるロールプレイの 『スパイス』 として RLV は魅力的です。
しかし、RLV 機能を使うことで失ってしまうこともあることを感じていますか?
具体的にはロールプレイにおける 「選択」 が RLV により失われる可能性です。
テキストでの表現の例だと
(XXさんの腕を納屋にあったロープできつく縛った)
→ こういう表現だと相手は回避する選択が選べない確定ロールとなってしまうので良くないです。
(XXさんを縛ろうとして納屋にあったロープを手にして腕を掴んだ)
→ この表現だと相手は回避する選択も展開できるし、そのまま流れに乗ることも選べます。
これを RLV 機能でメニューからワンクリック選択で拘束プレイをしたとすると、間違いなく回避不可能な確定ロールしか展開できませんし、そこに至るまでの情景の描写もありません。
こういう文字でのロールプレイを楽しむ人達には RLV なんて飾りです。 RLV が無くても問題なし。衣服やアイテムの着脱についても、「脱げ」 と命令したり、ト書きに合わせてビジュアルを合わせるだけで成立します。 もっともト書きだけの展開でビジュアルは全く変化なしというような、所謂テキストベースでのロールプレイやチャHでの利用もあるでしょう。 まぁ、それでも自由にビジュアルを変えて楽しめるのが Second Life ですから、文字チャットだけてなく見た目も変えて楽しんでほしいですね😊。
RLV は追加された機能ですから何のために RLV 機能を使う必要があるのか落ち着いて考えてみてください。 目的を満たすための手段としての、RLV 機能ではないでしょうか。 知らずのうちに RLV 機能を使うこと自体を目的としていませんか?
キケンな RLV も存在するということ
頭の片隅にでも留めておいて欲しい
①💀 RLV で勝手にアカウントを乗っ取られることもあります
②💀 リンデンドル(L$)を勝手に引き出されることもあります
③💀 ID やパスワードが相手に送られることもあります
④💀 RLV でチャット履歴を外部に漏らすのは簡単です
⑤💀 Viewer 設定から RLV を無効にすることが出来ないものもあります
①, ②, ③ について、普通は起こりえませんので普通の Second Life ビュワーを使っている限りは大丈夫ですので安心してください。 しかし普通じゃないビュワーや別途のソフトウェア類の導入を指定された場合は要注意です。
④については IM (インスタントメッセージ) やグループチャットおよびカンファレンスの内容を転送することは出来ませんがローカルチャット (チャットチャンネル = 0) での会話は RLV の標準コマンドで別チャンネルに転送する機能が古くから搭載されています。 しかしながら特定のチャンネルチャットの傍受というのは何も RLV 機能で行わなくても標準のスクリプト (LSL) で実現可能なことなので、どこかで誰かがその場所でのローカルチャットを拾っている可能性は常にあります。 かなり神経質に盗聴が気になってしまう場合は、チャットが届く範囲 (概ね 20m) に何も無い場所で会話するしかないでしょうね。。。音声チャットについては、現状では音声チャットは RLV で制御できないので音声チャットは完全に安心できます。 もしかすると近い将来現在の Vivox 利用から WebRTC 利用へと環境が変わった場合に制御可能となるかも知れません。
⑤については、オリジナルの RLV では、初期状態で RLV = ON で、デバッグ設定項目により無効に出来るとなっています。 その他のビュワーでは設定メニューの中に RLV 機能の ON / OFF が設けられていますが設定手順が異なるものがあります。
RLV 系では RLV機能の ON / OFF を行う際にログイン状態である必要があります(要再起動)
RLVa系では RLV機能の ON / OFF を行う際に非ログイン状態でも可能です(ログイン中の場合要再起動)
また、RLV 機能を無効に出来ないビュワーも存在します。
え?RLVって危ないの!? と思うかも知れませんね。
どういうことかと言うと
RLVという名称が付いていても同じではない ということです。
名前の知れているところとしては
Hardcore RLV
XtremRLV
があります。
他にもダークサイドの SL ビュワーのように一部に同じ名称を含む亜種があるかも知れません。
Hardcore RLV
かつての CoolViewer (Cool VL Viewer じゃなくて、同名で Boy Lane さんがビルドしていた) が初版かな。本家の RestrainedLife でも Hardcore モード版がビルドされるなど特定のユーザーに需要ありってところ。 具体的な効能は RLV 機能を無効にすることが出来ないというのが主な違い。現在でも Kokua viewer の別バージョン (Full Time RLV) として継続されています。 RLV を無効に出来ないことと、ログインアカウントは固定になること、OOCチャットは無視されるなどの特徴があります。 Full Time RLV の効能は Kokua のドキュメントに記されています。 なお、似た名称で OpenCollar などに Hardcore モードというのがありますが、それはアイテム個別で Safeword などを使えなくするものであって Hardcore RLV とは異なります。→ 参考までに Hardcore RLV の始め方 の解説サイト?に、より楽しむための手順が紹介されています
XtremRLV
はっきりと、マルウェアの類と違わないのですが、普通の RLV であるとアカウントのパスワードも当然変更できるし、起動するビュワーも任意に選べますが、それすらも制限してしまおうというのが目的になっています。 しかし、これを利用するとアカウントが盗まれることと変わりありません。 FinDOM や TPE, TotalBondage の一環だとして勧められても絶対に利用しないでください。 ただ現在では存在消息不明ですが関連を追ったところ単体の SL ビュワーではなく、専用のアプリケーション・ランチャーの類ではないかと思われます。→ 参考までに Catznip のwikiページ に XtremRLV のパスワード回復に関する手順が記されています
TeamViewer
SecondLifeのビュワーではなく、 RLV も無関係なのですが、名称に Viewer と付くのでPC無知な人に導入させて根こそぎ盗むという事件が発生したりもしています。 TeamViewer 自体は普通にPC遠隔操作用のツールなのですが、悪意ある利用というところ。FinDOM プレイと RLV の組み合わせ
これも直接には RLV は無関係ですが、プレイの一環で金銭を支払うことで拘束が解除されたりとかの仕掛けもあります。 アイテム販売とかで金銭を扱うベンダーや、チップジャーの類を設置したことがある人だと解ると思いますが、アイテムに対して金銭の出納を許可すると支払いの場合に自身の持金からどんどん確認なしに支払われていきます。 そのような金銭を扱うオブジェクトの設置を要求された場合は要注意。 プレイ内容が FinDOM プレイでなくとも Domme などプロフェッショナルな (職業として活動している) 場合では、金銭を要求されることもあるでしょう。 そういう環境での RLV 使用は RLV の機能の特性から回避不能な問題となることもあるかも知れません。 充分に気をつけて。18年前の RLV と変わったところ
ウチの Blog 記事では RLV 最初期当時の記事が2008年ですが、 RLV 機能が考案されたのが 2007年なのでかれこれ18年、人生だったら高校生でしょうか。 次は RLV 卒業なのかな。 私などは RLV 留年でしょうね😄 今でも時折に記事が閲覧されている様子、よかったら読んでみてください。
📕ハヂメテノRLV
📕RLVの雑学
📕RLV Relayの考察
2007年から RLV は登場し大流行
その仕組みを話しても理解できる人が当時は少なかった
(画像は 2007年当時のスナップショットです。撮影場所は背後のテクスチャーから、おそらく BDSM Club Japan かな。 記事末尾のオマケ画像参照)
この当時の RLV から沢山の機能が追加されて現在に至りますが、基本的な動作原理は変わっていません。 なかでも安全面に関わることですが RLV の基本として設定内容を何処にも保存しないことが挙げられます。 サーバー側にもローカルのクライアント側にも一切情報は持たずに RLV 機能を利用するオブジェクト内にのみ情報が存在しています。 この点で誤解を生む原因の一つに OpenCollar の功罪が過去にはありました。 OpenCollar では、設定内容を独自の外部の WEBサイトに記録する仕組みを持っていた時期があり、 元ソースが Open 故に独自の改変などで問題を抱えることもあり、結果的には外部保存の仕組みは現在では消滅しています。 しかしながら施設全体で作用するような RLV を利用した仕組みなどでは個別に外部に設定を保存するものも依然として存在する可能性はありますが、それらは RLV の基本的な機能で提供されるものではないので切り分けて考えてください。
昔の RLV から追加された機能は沢山あるので割愛しますが拡張されて意味合いが異なった部分などいくつか掻い摘んで取り上げてみます。
ブラックリストの適用
操作を許可するホワイトリスト、操作を拒否するブラックリストの仕組みはアイテム個別では様々なもので見受けますが、とりわけ ロールプレイ関連のアイテムではよく見かける機能です。 先の項で RLV はローカルに情報を持たないと述べましたが、RLV の設定内容ではなく操作可能な対象者のフィルターとしてのブラックリストの機能をビュワー側で実装しています。RLVa の登場
現在ではオリジナルの RLV と、RLV を容易に実装できるように組込 API として実装する RLVa の2系統があり、しばしば混同されます。殆どの場合で単に RLV として扱われるのですが、それぞれで存在する機能と存在しない機能があり、利用するビュワーが実装している RLV 機能が RLV か RLVa か知っておくべきでしょう。 (特に RLV 対応アイテムを作る人達) なかでも RLV-Relay を使う場合のメタコマンド ( ! [感嘆符]で始まる特別のコマンド) においては違いが多く見受けられます。装着アイテムの装着位置の表記
昔の RLV の作法においては、装着アイテムのアイテム名に装着箇所 (r hand など) を明記したアイテム名にする必要がありました。 これによりアイテム個別で記録されている最終の装着位置の保存値を無視して指定した装着箇所にアイテムを装着することを実現していました。 しかしながら MESH を利用して制作されたアイテムが大部分となり、なかでも RIG 入りの MESH アイテムである場合は、装着箇所が何処であれ、RIG に従って位置が確定してしまいます。 このこともあるからか、現在ではアイテム名における装着箇所の明示的な表記は必須ではなくなっています。 それでもビュワーによってはアイテム固有の装着箇所記録値を用いるかアイテム名に記された装着箇所を利用するか選べるものもあります。例外設定など全体で作用するコマンドの secure 版
RLV 機能の各コマンドはアイテム個別で作用するものと、アバター全体に対して作用するものという範囲の違いがあります。 このうち全体に作用するコマンドをアイテム【A】で設定しても別のアイテム【B】によって設定が変更されてしまう可能性があるものがありました。 それらについて他のアイテムからの設定変更を受け付けない強固なコマンドとして "コマンド名_sec" と、安直ですが分かりやすい表記での別コマンドとして各種用意されています。RLX って何だろう? RLV じゃないのかな・・・
MarketPlace などで時折に見かける RLX という表記。 RLV と一文字違いなので気になるところ。
RLX は SL 標準の Experience 機能を利用
Experience 機能を利用した家具では AVsitter が高名ですね。 テーブルに座って料理を REZ選択すると、ナイフとフォークも自動で装着される仕組みに触れたことがあると思います。 それと同様の仕掛けで首輪とか手枷とかが自動で装着されて強制的に座らせられるという流れです。
ポイントは Experience 機能を使うので RLV 対応のビュワーである必要がないことや、 RLV のように事前に何かを設定する必要がないことです。 (RLV の場合は RLV 機能を有効にしてログインする必要あり)
現状では RLX でやれることが極僅かしかないので、利用するビュワーを問わずに使うことの出来るお手軽なロールプレイ補助の仕組みという状態です。
RLX の詳細については作者さんのWEBサイトで知ることが出来ます。
とにかく 一文字違いの RLX は RLV と目的は重なるところもありますが関連はありません。
RLX は 個人の Experience 範囲
Experience 機能の仕組みからキー項目は作成者のアカウントに紐付けされるので、AVsitter のように多数の人が利用する状況であれば共通仕様だと言うことも出来ますが、あくまでも個人アカウントに対しての動作に過ぎません。 既に個人のアカウントで利用する Experience 機能は、各地のテレポーターなどで色々と利用されているので作者毎に Experience キーがあるという状態です。 しかし今後に AVsitter のように大多数が利用する状況となれば共通仕様だとして普及するかも知れませんね。 システムアカウントの Experience キーのように (例えば LindenRealms) 問答無用で全員が有効にしているというのは、まず無いので今後も Experience キー毎に利用の許可/拒否をすることになるでしょう。RLX は RLV の代替にはならない
RLX で実装している各種機能が数少ないことから RLV を置き換えるようなことにはならないですが、それ以前に Experience 機能を利用するので RLV のような 『機能の継続的な使用が出来ない』 と思われるからです。 何かのアイテムをスクリプトで装着する場合に TempREZ -> Attach とした場合は TempREZ のアイテムはログオフすると消滅してしまいます。 消滅しないようにするには通常REZ -> Attach で実在する持ち物として相手のインベントリーに収容しなくてはなりません。 そして再ログインのときにREZ元の親キーに対して何かのアクションを取るという流れで出来なくはないですが、REZ元のオブジェクトがその場に存在しなければ成立しません。 もっとも、そういう事まで配慮しているようには見えませんから・・・。 RLV の代替にはならないけれど代用としては楽しめるお手軽な機能として受け入れられるかも知れません。なにせ利用する側は RLV のように対応アイテムを準備する必要がなく、全くの手ぶらで利用できるのは利点です。(おまけの蔵出し画像)
2007-12 当時 Susukino にあった BDSM Club Japan のメインホール部分。ステージの奥に鎮座している玉座のアイテムが私の初めてのアイテムとしてブログの記事にも残しています。
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