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※画像は本記事との関連はありません。
Second Life は XR じゃない
meta社がトリガーとなってメタバースが話題となり Second Life が先駆者として語られることがしばしばありますが、とりわけ日本で言うところのメタバースは XR (VR, AR, MR, SR) やブロックチェーン技術などが必須とされていて、それらを含まない Second Life は対象外であることを先の Blog 記事でも書いていますがメタバースではないのに同列として比喩されてしまうことが少なくありません。Second Life での経験は、 Virtual であって Real ではないのです。
ネット上のサービスでなくても XR を利用した「体験できる施設」が色々と誕生していますが、Second Life では経験は得られますが体験は得られません。
ユーザー年齢の下限が違う
Second Life では、大人が子供になって楽しむことも出来る世界ですが、子供が大人になって楽しむことは出来ません。対象のユーザーの年齢制限は18歳以上となっています。メタバース系とは畑違いですが利用可能な年齢をいくつか調べてみました。Second Life
18歳以上VRChat
13歳以上 (ただし18歳未満は保護者の同意が必要)cluster
年齢制限なし (ただし2024年04月より、18歳未満は保護者の同意が必要に改定された)一応スマホ環境では App Store と Goole Play とも 13歳以上の指定となっている。
Minecraft
年齢制限なし (ただし未成年の場合はアカウントの種別として子ども用として区別される)Roblox
年齢制限なし (ただし13歳未満の場合はアカウントに制限が掛かる。2024年11月より)Fortnite
年齢制限なし (ただし16歳未満の場合はアカウントに制限が掛かる)なお、日本以外では2024年10月より、13歳以上の指定となっている。
一応は Second Life でも保護者の同意があれば18歳未満での利用もできます。
・13歳以上~16歳未満での利用
→ 加えて保護者の個人SIM持ちが条件となり、入場できるSIMがその持ちSIMのみに限定となるので利用できるとは言い難い。MarketPlaceすらも利用できない。
・16歳以上~18歳未満での利用
→ 入場できるSIMはGeneral地域のみの制限あり。数で示すとSIM全数の1/10以下
もっとも Second Life では、かつては13歳以上~18歳未満の専用ワールドとして "Teen Grid" と呼ばれる "Main Grid" とは別空間として切り離された環境がありました。しかしながら 2009年にレーティング区分を従来の PG (Parental Guidance) / Mature の2区分から、 General / Moderate / Adult の3区分とした際に誕生した Zindra 大陸の登場の後、2011年に "Teen Grid" は Grid (ワールド)としては廃止され、稼働していた SIM 郡は Sharp Continent という名称を与えられ丸ごと "Main Grid" へと移設し統合されました。時期が2年ずれているのは、既存の Teen Grid ユーザーが+2年で16歳に到達して制限付きではあるものの "Main Grid" への入場が許容される年齢に到達したのではと想像します。そのような経緯で 2011年を以て低年齢層のユーザーは切り捨てたと言えます。(グリッドの歴史についてはこちらの記事などを参考に)
・13歳以上~16歳未満での利用
→ 加えて保護者の個人SIM持ちが条件となり、入場できるSIMがその持ちSIMのみに限定となるので利用できるとは言い難い。MarketPlaceすらも利用できない。
・16歳以上~18歳未満での利用
→ 入場できるSIMはGeneral地域のみの制限あり。数で示すとSIM全数の1/10以下
もっとも Second Life では、かつては13歳以上~18歳未満の専用ワールドとして "Teen Grid" と呼ばれる "Main Grid" とは別空間として切り離された環境がありました。しかしながら 2009年にレーティング区分を従来の PG (Parental Guidance) / Mature の2区分から、 General / Moderate / Adult の3区分とした際に誕生した Zindra 大陸の登場の後、2011年に "Teen Grid" は Grid (ワールド)としては廃止され、稼働していた SIM 郡は Sharp Continent という名称を与えられ丸ごと "Main Grid" へと移設し統合されました。時期が2年ずれているのは、既存の Teen Grid ユーザーが+2年で16歳に到達して制限付きではあるものの "Main Grid" への入場が許容される年齢に到達したのではと想像します。そのような経緯で 2011年を以て低年齢層のユーザーは切り捨てたと言えます。(グリッドの歴史についてはこちらの記事などを参考に)
ユーザーの年齢層の分布以前に利用可能な年齢の下限が Second Life とその他の近年のメタバース系とは明らかに異なります。制限があるものでも殆どが13歳以上とされています。その制限の発効も2024年から実施となっているものもあり無制限状態でした。 Second Life では年齢制限で対象外となってしまうユーザー層が拾えないのだから、人が居ない、新規ユーザーが増えないとなってしまうのは当然の結果でしょう。「隣の芝生は青く見える」との諺のようなもの。違う世界だと認識しなければなりません。例えが悪いですが、大人が子供のオモチャで遊ぶことは可能ですが子供に大人のオモチャで遊ばせるわけには行きません。
楽しむための料金の問題
Second Life では、仮想通貨として(暗号通貨ではない)リンデンドルを利用しますが MMORPG のように徘徊するモンスターを倒せば通貨が得られるというような仕組みが標準的には備わっていません。リンデンドルを得るためには現実世界の通貨で Second Life の仮想通貨を購入する必要があります。ずっと以前はリンデンドルの売買を第三者でも行えるバイヤー制度があって、各国の流通通貨などでも購入できるルートがありましたが、現在ではバイヤー制度は廃止され、公式の内部運用から直営の本物の銀行業務を行う Tilia という会社となり、今では Tilia は売却されて Linden lab とは別の組織が所有する会社となっていますが仮想通貨のリンデンドルが購入できるルートとしては変わらずに一元化されています。この仮想通貨のリンデンドルを購入するための現実世界での通貨の支払い方法が現状では Credit Card, PayPal, Skrill の3択しかありません。(公式の支払い方法ページ参照。2025年現在では経済制裁の政策の影響で扱えない国もある) 日本においてはネットゲームで馴染みのある WebMoney など各種プリペイド系の支払い方法が一切使えず、 Second Life を楽しむためには、クレジットカード所有必須となっている現状がユーザー獲得の足枷となっていることは否めないでしょう。 Second Life がスマホ環境へと進出した近況で、支払い方法に App Store や Google Play での決済が利用できるように拡大してくれれば選択肢として歓迎されることは間違いないはずですが Linden 側では議題とされているようには全く感じません。まぁ 『おとな』 ならクレジットカードを持っていて当然という考えなのでしょうね。
また、例え生年月日を偽装して18歳以上だと細工しても支払い方法の部分で詰んでしまうでしょう。
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